ろ過装置を選ぶ

熱帯魚・エビ飼育にはろ過装置が不可欠です。
ろ過装置とは糞などで汚れていく水槽内の水を綺麗にする装置の事です。

ろ過の話になると大抵の熱帯魚飼いは燃え上がる傾向にあります。
話が長くなりがちなので注意!


ろ過の種類

ろ過には「物理ろ過」と「生物ろ過」の2種類があります。
いずれも「器具」と「ろ材」を組み合わせて実現します。
一般的にろ材の量が多い方がろ過能力が高まると言われてます。

物理ろ過

目に見える汚れを取ること。
糞や餌の残り、枯れた水草などの目に見える汚れを濾し取ります。物理ろ過には主にウレタンマットやスポンジ。サブでリング系ろ材が使われることが多いです。糞が多めの中型魚以上の飼育や肉食魚の飼育では特に重要。カメを飼う場合も物理ろ過重視が必要と思います。

生物ろ過

目に見えない汚れをとること。魚から排出された糞は、水中でアンモニアという有毒物質に変化します。これを分解して、比較的毒性の少ない亜硝酸塩に分解します。この反応を起こすための菌を飼う場所=ろ材ということになります。

反応:糞 → アンモニア(毒) → 亜硝酸(毒) → 亜硝酸塩(弱毒)…と最終的には弱毒になりますが、毒ではあるので水換えをして、亜硝酸塩を水槽の外に出してやる必要があります。小型魚やエビ飼育の場合、水草水槽を作る場合は生物ろ過重視で良いと思います。

生物ろ過にはリングろ材やボール型ろ材が使われることが多いです。


ろ過の方法

ろ過には8種類の方法があります。(もっとあるかも?)
流動床フィルター以外のろ過方法では、物理ろ過と生物ろ過の両方を行うことができます。
色々な説がありますが、個人的にろ過装置を選択する時は、水槽内の水量に対して毎時7回~10数程度回転することを目安にろ過機を選んでいます。
60cm規格水槽[60*30*36]なら水量が約65Lなので、毎時455L~650Lの水量がろ過装置を通過する…という感じ。どんな魚種でも大外ししないオススメの考え方です。

Webを見るとエビを飼う方はゆっくりなほど良いと言っているイメージ、水草水槽をする方は高速回転!というイメージがあります(あくまでもイメージですが…)あまり水流があると泳ぎづらくてストレスが溜まる魚種もいれば、流れに逆らって泳ぐのが好きな魚種もいるので、最終的には飼う魚と相談するのが良いと思います。

底面ろ過

器具:底面のプレートとエアポンプ、または水中モーター
ろ材:底砂や土そのもの

水槽の底面にプレートを敷いて、その上に土や砂を投入。
エアポンプや、水中モーターでプレートにつながっている立ち上げパイプから排水することで、水をプレートの下に引き込んでろ過する方式。
物理ろ過も生物ろ過も砂や土が行う。

水中ポンプのお薦めはこれ。ポンプ部分だけ取って、立ち上げパイプに接続。ニッソーの底面ろ過にもアクアシステムの底面ろ過にも無改造で接続できます。便利!(この商品単体で使うと投げ入れフィルターとして使えます)

エアポンプならこれ。60cm水槽にジャストサイズ。いろいろ使ったけどこれは断然静か。超オススメ。これより上のサイズはちょっとうるさい。

底面ろ過の土や砂の下にボール系ろ材などを追加して、ろ過能力アップ!という方もいますね。確かに通水性は増加しそうですが、実際のろ過面積としてはソイルだけの場合に比べて同等以上の表面積になるのかな?比べてみたい気がします。因みに私も何度かやってみたのですが、後々のメンテがスーパー面倒(ソイルを入れ替えるときにソイルの中からボールを拾い出す作業とか…底床の掃除をする時に誤って吸ってソイルの上に出てきてしまったボールろ材をどうしていいか判らない…とか)なので、個人的には今後はやらないと思います。(ネットに入れて設置すると良い…という話もある)底面ろ過を外かけろ過装置や外部ろ過装置と組み合わせて使う方もいるようです。これも「システムはシンプルが一番派」と「システムは組み合わせて最適化派」がいるので、楽しいところです。個人的にははじめたばかりのころはいろいろといじりたかったのですが、最近はシンプルでいいならシンプルが一番…と思ってます。

☆底面ろ過のメリット
底面ろ過の上に載せたソイルや砂利がそのままろ材として使える。ろ材量が多く取れるのが強み。水中ポンプを使えば水槽の外にチューブが出ないので、水槽の外観がシンプル。何よりろ過装置からの水漏れの可能性がないのが良い。また、なんと言っても価格が安い。

☆底面ろ過のデメリット
水槽の中にプラパイプが立つので水景にこだわる場合、レイアウトに制限が出る。底面の定期的な掃除が必要なことと、使う砂によっては底面の下の空間が詰まってろ過できなくなることがある。

☆オススメ商品
各社からいろいろな製品が出ていますが、仕組みは一緒。お勧めはニッソーのバイオフィルター。ソイルで利用する際にソイルが網目の下に落ちにくく、高さが出にくいです。

※アクアシステムの底面ろ過も好きですが、これはパイプの高さ+αは砂利やソイルを入れないと行けないので、小さい水槽だと結構な高さまで砂利やソイルを入れることになります。見た目のバランスが悪くなることが多いので、導入は計画的に。

上部ろ過

器具:水槽上部に設置する箱と揚水ポンプ
ろ材:スポンジ、リング系、ボール系ろ材などなんでも!

箱を水槽の上に乗せて、揚水ポンプで水をくみ上げ、ウールマットで物理ろ過を、その他のろ材で生物ろ過を担当。
セット水槽で採用されている事が多く、素人~玄人まで幅広い人が使用している。
食べ残しや糞など、大量に物理ろ過が必要な場合も、詰まりにくく、ウールマットの交換も楽々なので、特に大型肉食魚を飼っている人にはお手軽で最適。

☆上部ろ過のメリット
水槽に手を突っ込む事なくろ過槽の掃除ができるのは圧倒的に便利。実は結構なろ過スペースがある。空気を巻き込んで水槽に戻るので、酸素を確保したいときには最適。たくさんの魚を飼いたい場合や、中型〜の糞の量が多い場合、肉食の魚を飼う場合にはステキなろ過装置です。

☆上部ろ過のデメリット
空気を巻き込んで水槽に戻る…ので二酸化炭素の強制添加効率が非常に悪いです。添加した端から逃げていくという感じ。また、ろ過装置を水槽上部につけることになるので、ろ過槽直下はライトで照らせません。(水中ライトを使うとか…手はありますが)ということで水草水槽には不向き。

☆オススメ商品
アマゾンソードやピグミーチェーンサジタリア、ウイローモスなんかはこのろ過装置でも十分育てることができた。水が流れ落ちる音が結構大きいので、気になる人は気になるかも。昔プレコを飼っているときに使っていたのがGEXのグランデカスタム。すごい量のろ材が入って素晴らしい。ウレタンマットの他にどんなろ材を入れるか考えるだけでご飯が三杯食べられたあのころ…。

  

外部ろ過

器具:ろ過槽と水中ポンプ
ろ材:スポンジ、リング系、ボール系ろ材などなんでも!水中ポンプを使用してろ過槽に水を流し込む方式と、サイフォンの原理で水槽からろ過槽に水を落としたあとにポンプで水槽に水をくみ上げる方式がある。

☆外部ろかのメリット
ろ過層の大きさはろ材を入れる筒の大きさによる。商品を展開するメーカーも多いし、ろ過容量もいろいろと揃っているので、基本的には自由自在。プレフィルターを接続してろ過容量を増やすことも可能(外部ろ過を直列に複数つなぐイメージ)二酸化炭素を逃さないので、水草水槽に最適。水音が聞こえず静か。二酸化炭素を溶かし込む別売りパーツや、水槽クーラー、流動床式フィルターと直結できるので、総合的に使い勝手が良い。

☆外部ろかのデメリット
清掃するのに一度筒を開ける必要があるので面倒。(飼育魚種によるけど、頻繁に開ける必要はない)あまりにも物理ろ過量が多いと詰まるので、中型魚〜の糞の量が多い魚種や肉食魚の飼育には向かない。パイプを通してろ過装置が完全に外に出ているので、水漏れトラブルがあると被害が大きくなる可能性が高い。

☆オススメ商品
60センチ規格水槽ならエーハイムの2213がおすすめ。過去に導入していましたが、トラブルもなく順調に稼働してました。



90cmスリム水槽ではエーハイム2215、90cm規格水槽なら2217ですね。それよりも小さい水槽(30cm水槽など)では、テトラのオートパワーフィルターがおすすめ。エビ水槽ではずっと愛用してます。水中モーターでろ過槽に水を送り込むタイプなので、水槽内の見た目はちょい悪。

水槽内に水中モーターを入れたくない!とか、流量が少ないのがいい!という場合はエデニックシェルト。名前もかっこいい!これはろ過槽の中に水中モーターを入れることで、水槽内は配管だけを実現した商品。水中モーターの分、ろ材は入りませんが、小型水槽なら十分。

外掛けろ過

器具:水槽にひっかける箱と水中モーター
ろ材:交換式ろ材(スポンジと活性炭:使い捨て)

水槽のフチに箱をひっかけて、水中モーターで箱内に水をくみ上げ、スポンジと活性炭を経由して水槽に戻す方式。基本的には小型水槽用という位置付け。

☆外掛けろ過のメリット
水槽にひっかけてろ材をワンタッチセット、コンセントを入れるだけでお手軽。メンテナンスはろ材パックを交換するだけなので、簡単で手が汚れない。最近ではろ過槽が大きな物も出てきていて、ろ材を工夫すればある程度大きな水槽にも対応可能かも。

☆外掛けろ過のデメリット
ろ材が交換式なので、交換の都度バクテリアを捨てていることになり、水中の環境も安定しづらい。その他のろ過方式に比べるとろ過能力は低めとはいえ、ネオンテトラやアカヒレなどの強い魚を買う分には、外掛けろ過で全く問題ないよなーというのが最近の感想。
ワンタッチフィルター 改造 などで調べると、ろ材を使い捨てない工夫をされてる方のホームページがたくさん見つかります。個人的にも外掛けろ過にはボールろ材を追加しておく意味があると思ってます。

☆オススメ商品
有名どころはテトラのオートワンタッチフィルター。
15cm水槽には「AT-20」、30cm水槽には「AT-30」、45cm水槽には「AT-50」、60cm水槽では「AT-60」を選択するように。とパッケージに記載があります。AT-20ちっちゃくてかわいい!!です…が、流石にろ過能力もその程度。ですので、ご注意を。

投込式ろ過

器具:ろ材の詰まった箱とエアポンプ
ろ材:スポンジが主

ろ材の詰まった箱を水槽内に沈めて、エアポンプで水を持ち上げることで、箱内に水を通過させる方式。
金魚飼育などで良く見られる。

☆投込式ろ過のメリット
水槽に入れてエアポンプを稼働させるだけなので簡単。エアポンプを使用するので、ろ過と同時に酸素の供給もできちゃいます。エアポンプを水中ポンプに変更すれば水漏れの心配もゼロに。一時的に設置するような水槽にも使いやすい。

☆投込式ろ過のデメリット
ろ過能力はこれまで紹介してきた方式と比較すると低い…と言われてますが、熱帯魚ショップで良く見る方式でもあり、信頼できるろ過方式だと思います。エアポンプを回すとぶくぶく音がうるさいのはデメリットかな。と。

☆オススメ商品
一番有名なのは水作エイトかなぁ。

GEXから出たサイレントフローもイイ。機械が故障しても漏水がないという意味でもおすすめ。

オーバーフロー

器具:穴と水中ポンプ
ろ材:スポンジ、リング系、ボール系ろ材などなんでも!

水槽の底面に穴をあけてパイプを立てて底から水を落とし、その下にろ過槽を用意、ろ過槽通過後水中ポンプで水をくみ上げる方式。
ろ過能力は水槽の下に用意するろ過槽の大きさ次第で、ろ過容量はどの方式よりも大きくできる。海水水槽で採用されることが多い。背面ろ過水槽もこの一種。

☆オーバーフローのメリット
ろ過槽を何層も重ねるなど、ある程度自由に、かつ大きく取ることができるのでろ過能力がとても高い。個人的にろ過層にヒーターを入れることができるので、水槽内に余計な器具がない状態が作れるのがスーパーメリットだと思う。

☆オーバーフローのデメリット
水を下に落とすので水音が大きい。小さな魚は工夫しないと水と一緒にろ過槽に落ちていくので、飼育する魚種を選ぶ。対応する水槽と水槽台がとても高い。どうしても水槽の中にパイプが立つので、これが許せないと導入できない。空気を巻き込んでパイプを水が落ちていくので二酸化炭素は逃げる。水草水槽には向かない。

スポンジフィルター

器具:筒とスポンジと穴とエアポンプ or 水中ポンプ
ろ材:スポンジ

筒にスポンジを取り付け、エアポンプの力で緩やかにろ過を行う方式。
一見物理ろ過しかできない様に見えるのだけど、実はスポンジにバクテリアが付くらしい。そのうちバクテリアに食べられて?スポンジが小さくなっていく。他のろ過と併用したパワーアップや、稚魚がいる場合で、他の方式では吸い込んでしまう場合、このろ過方法を採用することがある。僕のエビ飼育の師匠はスポンジフィルターで飼育していた。

☆スポンジフィルターのメリット
お手軽に設置できて安価。水流が静か。他の方式では稚魚を吸い込んでしまうなどといった場合でも使用できる。エビ飼育に最適。

☆スポンジフィルターのデメリット
長期間使うと詰まってしまうが、掃除をしようと絞ってしまうとバクテリアが落ちてしまう。長期間の稼働を考えるならダブルタイプがいいのかもしれない。エビの師匠は自然と小さくなるまで触るなと言っていた。

☆オススメ商品
店頭でよく見かけるのは、テトラブリラントフィルター。
いくつか種類があるので、お好みのものを探すのが良いかも。

流動床フィルター

今まで紹介してきたろ過装置は、ろ材が固定されているという意味で固定床と呼ぶのですが、この新しいろ過はろ材が水流で動く!という新しい方式。ろ材が詰まらず、360度が水に触れることからろ過能力が極めて高い!!!!浄水場でも使われている方式らしい。本格的。水槽外だけでなく、水槽内に設置することもできる。まだ使ったことがないけれど、見た目もかっこいいのでいつか使ってみたい。


ろ材の種類

ろ材とは、ろ過に使用する「何か」のことで、大きく3種類に分けられる。

ボール系ろ材

その名のとおりボールの形をした物。有名どころではエーハムサブストラットがある。ろ過槽の形に影響されにくく、量を入れることができるのがいいところ。各社表面積の大きさを競っているので、PRの文言を比べるのも面白い(実際は使っている間にバイオフィルム…表面のヌメヌメができてPRしているほどの表面積は取れないなんて話もある)

上部ろ過ではウレタンマットの下にこれを敷き詰めると見た目にも満足度が高い(個人的な見解です)外掛けろ過にちょっと追加するにも良い素材。外部ろ過の場合は、これだけを詰め込むと通水性が悪くなる可能性がある(水量が減ります)のでリングろ材と組み合わせて使った方がいいと思います。

リング系ろ材

円柱形のろ材。基本的にはただの筒。円柱内に十字の板を設置することで表面積を増やしているものもある。有名どころはエーハイメック。
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サブストラットやパワーハウスが有名。その形状から水を通し易く、またろ過層内で様々な角度に傾くことで水流を散らす効果があり、外部ろ過の一層目はリング系ろ材を入れるように指示があることが多い。一部物理ろ過を兼ねる…と書かれる場合もあるが、個人的には疑問がある。上部ろ過ではお好みで、外部ろ過では積極的に使用したい。熱帯魚ショップではコルゲートチューブをリングろ材として使っている場合がある。凸凹があるものであればある程度代用できるものなのかもしれない。(昔エーハイムからまんまコルゲートチューブでしょう?というろ材が出ていたような気がしたが…Web上で見つけられなかった)

ウール系ろ材

物理ろ過用と生物ろ過を兼ねたろ材。上部ろ過では散水板の真下に設置されて、外部ろ過では放水側に設置される事が多い。期待されている役割は8割型物理ろ過。

上部ろ過用のウールマットと、外部ろ過用のウールマットは形状が異なるだけで、期待される効果は同じ。外掛けろ過ではろ材を包んでいるウールこれ。粗目のものと細目のものがあるが、細目はとても詰まりやすいので外部ろ過に採用する場合は流量の低下に注意が必要。

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ほーら、長くなった(汗

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